広島県福山市松永町にある、日本はきもの博物館・日本郷土玩具博物館に行ってきました。
7〜8年ほど前に、テレビのドキュメンタリー番組でラップランドの先住民族
サーミのブーツを観たことがきっかけで北方民族の文化に興味をもったのですが、
いろいろ調べていくうちに、日本にはきものだけをあつめた博物館があると知りました。
世界のはきもののコレクションは1,500点以上(日本のはきものは10,000足以上)、
はきものの歴史をたっぷり堪能できるなんとも魅惑的なスポット…!
あれから数年後、まさか広島に住むことになることは夢にも思わず…
念願の、はきもの博物館に行くことができました。
博物館のある松永町は全国の60パーセントを生産する下駄の町。
かつては塩田の町としても栄えていました。
松永で生まれた丸山茂助は明治11年下駄屋を開業、塩田の燃料に使う雑木に着目し、
安価な下駄づくりを始めたそうです。
それまで高価だった下駄は大衆に受け入れられ、
機械による大量生産へと発展してゆきました。
この博物館は松永下駄業100周年を記念して設立されたそうです。
http://www.footandtoy.jp/
(上の写真)奥の真ん中あたりに、サーミの毛皮製ブーツがあります。
刺繍が鮮やかなモカシン。
アボリジニの、エミュの羽毛とヒトの毛髪で作られた靴。
千年も続いたという中国の世にも恐ろしい奇習、纏足。
てのひらに乗るロータスブーツのサイズは、わずか10cm前後。
幼児の親指以外の足指4本を内側に折り曲げ帯できつくしばり、
成長が止まるまで続けます。
この小さな足がエロティックな生きた宝ものとしてあがめられたのだそうです。
(『靴の事典』著:岸本孝)
こんなに間近で見たのははじめてです。
さまざまな布地を組み合わせた上に刺繍を施し、とても手の込んだつくりです。
しかし、その美しさよりも残酷さが頭から離れず。
結婚を控えた娘たちが夫の愛情や家の繁栄を託し自分の手でひと針ひと針
仕上げることもあったそうです。
こちらは、日本の雪ぐつ(草履、草鞋)コーナー。
地方ごとにぜんぜん違って、おもしろい。
郷土玩具も予想以上におもしろかったです。
いちばん気に入ったのが、セワポロロという木彫りの人形。
サハリンや北海道に住んでいる少数民族ウイルタに古くから伝わる
精霊なのだそうです。
日本の玩具とはやはりどこか違う雰囲気です。獣の襟巻きが気になる…!
アイヌの木彫りの熊は子どもの頃からあまりにも身近に見てきたので
とくにじっくり見ることはなかったけれど、こうしていろいろ並べてみると
木製の人形も民族によっていろいろなカラーがあっておもしろいなあ。
かごに入った赤ちゃん。東北地方の嬰児籃(えじこ)人形。
こけしのえじこ人形
http://folkcraft.samurai47.com/2009/07/post-7.html
博物館内にある、マルヤマ商店事務所を再生したCOFFEE HOUSE SABOT。
大正ロマンあふれる雰囲気のよい喫茶店、次回はぜひ時間に余裕をもって行きたい。