徳島の阿南市に「猫神さん」と呼ばれる神社があるというので行ってきました。
車を走らせること4時間弱、お遍路の格好をした人もちらほら、四国に来たなあと
気分が盛り上がってきます。
(徳島と高知はすごーく遠いイメージを持っていましたが
実は早起きすれば日帰りでじゅうぶん遊びに行ける範囲でした)
お松大権現は(通称:猫神さん)有馬、鍋島とともに日本怪猫伝がのこる神社。
社紋はもちろん猫、狛犬ならぬ「狛猫」や猫大仏が鎮座し、
招き猫がぎゅうぎゅうに並べられる(その数なんと1万体以上)
猫好きとしては一度は足を踏み入れてみたいスポットであります。
御祭神はお松さんという美しい女性なのだそう。
時は今から300年ほど前、庄屋であったお松さんの夫は不作で苦しむ村の百姓を
助けるべく自分の土地を担保に野上三左衛門という富豪からお金を借り受ける。
お金は返済したが証文を受け取らずまもなく病死してしまう。
お松さんは担保の土地を取り上げられ、直訴するも死罪になってしまう。
(自殺したという説も)
お松さんは死ぬ前に愛猫「三毛」に遺恨と伝えていたという。
お松さんとともに三毛も処刑されるが、その後、三左衛門と奉行の家々に怪猫が現れ
両家は断絶してしまったのだとか。
化け猫、仇討ち、正義は勝つ・・日本人の心を惹きつけるお話であります。
美しいだけじゃなく人柄もよかったお松さんを人々は弔い、
やがてその墓所が信仰の対象になったのだそう。
主人の怨みをはらした三毛の献身から必勝の神様として信仰され
受験の神様や商売繁盛の神社としても人気だそうです。
(入試の際、社殿に祀られている招き猫を一体借り受け家に奉り、願いが成就したら
新しいのをもう一体買い添えもとに戻す習わしなので招き猫はどんどん増える)
わたしたちが訪れた時は「猫好きなので遥々やってきました」というひとは
たぶん他にはおらず、ほとんどが商売繁盛などのお参りで
訪れているひとでした。
それにしても、日本三大怪猫伝、気になるなあ。
そして猫にまつわる民間伝承もいろいろ調べてみるとおもしろい。
かわいいだけの猫スポットもいいけど
ふしぎで恐いお話が伝わるスポットは魅力倍増です。
そうそう。
社務所にはホンモノの猫もいました。
人によく馴れた猫で境内をいろいろ案内してくれ、ちょっと感動しました。
わたしたちの後からやってきた人も案内していたし、
まさか三毛の子孫だったりして、、
ほんとにそう思えてくるような、猫っぽくないふしぎな猫でした。
案内猫さん以外の猫もみんな懐っこく、座っていると膝に乗ってくる子も。
奥には仔猫もたくさんいて
(母親はなんと案内猫さん。乳飲み子がたくさんいるのにあの働きっぷり)
ずいぶん長い時間遊んできました。
ひょいと現れた案内猫さん。
山のほうにある猫大仏まで案内してくれた。
拝殿。
案内猫さんの仔猫。逃げない仔猫ははじめて。
生後1ヶ月くらいでしょうか。
片手でひょいと持てるほど軽い。
仔猫におっぱいをあげだしてはじめて案内猫さんが母猫だと知る。
奥にも4匹くらいいたけど、この子だけ母猫にくっついてまわっていた。
左の子は膝の上に乗ってきて寝だした。
図太さがかわいい。
本殿。
お松さんと三毛。
わがもの顔で社務所を闊歩も許されます。
この後「じゃあ帰るね」って言ったらご丁寧に駐車場の方までお見送りしてくれた。
乳飲み子をかかえながらこの気の使いよう・・
ひとの言葉がわかるんじゃないかと思うほんとにふしぎな猫でした。